[[StarLogoの簡単な入門]] #ref(Starlogo-LogoConcept.PNG) #ref(turtle_basic.png) StarLogoは「Logo」です。Logoという言語は、その基本的な機能として、タートルグラフィックスという特別な環境を提供しています。 ここではLogoと、タートルグラフィックスとはどんなものなのか、ざっとみます。 StarLogoが、Logoであるということは「教育」という観点からも重要な意味をもつと考えられます。 ---- #contents ---- *タートルグラフィックスの紹介 [#h53df3ec] **Logo [#e2a2332f] Logoは[[Seymour Papert(シーモア・パパート)>http://www.papert.org/]]によって考えられた、教育用の言語です。 この、Logoには、心理学が応用されており、子供が数学的指向を発達 させるのを助けるように設計されています。 そのアイディアの中心となるのは、構文や意味論などの言語的なもの よりは、タートルというディスプレイ上に生息する小動物と、その軌跡に よって描かれる図形、という、非言語的な要素です。 もちろん、それを支援するための、言語的な要素も強力なものを持っています。 **Logoによるタートルグラフィックス [#ha9d1fe1] StarLogoを使えばすぐに体験できますが、Logoの世界を簡単に紹介します。 このシステムでは、コンピュータのディスプレイ上の2次元空間に、仮想の 存在である「ペンを持ったタートル」(Turtle:亀)が生息していると考えます。 このタートルは、人間が指示するいくつかの命令に対し、忠実に行動します。 その命令の基本的なものは次の様な簡単なものです。 -タートルよ、N歩前に進みなさい -タートルよ、N歩後ろに後退しなさい -タートルよ、右にT度回転し、方向を変えなさい -タートルよ、左にT度回転し、方向を変えなさい -タートルよ、ペンを上げなさい -タートルよ、ペンを下げなさい これらの命令を次々に出すことによって、タートルは画面上を這い回り ます。 このとき、「ペン」を下ろしていると、この移動に対して、「軌跡」 が残ります(もちろん、「ペン」を上げていると残りません)。 この「軌跡」、一種の絵(図形)と見て、様々な図形描画を 「座標を与えるのではなく」亀に命令を与える事で実現してゆく。 それが「タートルグラフィックス」です。 #ref(Starlogo-LogoConcept.PNG) *Logoシステムの教育的側面について [#bb68a304] 子供に画用紙とクレヨンを与え、簡単な描き方を教えると、 たちまち、「描きたい絵」が子供の中に芽生えることが想像できます。 同じように、この命令の出し方を教わった子供は、 はじめ、ひたすらタートルとの対話によって結果として現れる絵を 確認する事からはじめます。 そのうち、「好きな絵を描くように」タートルに命令を出すにはどうし たら良いか、考え、試行錯誤しながら、目的の絵を作り上げるように なります。 この中で、子供の心の中では、先読みやある種の推論のような知的な 活動が行われる必要があります。それは、たとえば、「お家」を描く場合に、 その屋根を描くための三角形の一辺をこのくらいにしないと、画面に 収まらなくなってしまう・・などのことです。 少し慣れたら、何度も出てくる形を描かせる命令列を、まとめて 新しい一つの命令とし、名前をつけ、タートルに教え込む方法を教えます。 その絵を描く場所がきたら、その命令を出せば、短い手間で、目的を 実行できます。 Logoの教育的な側面とは、これら一連のことを子供に行わせることで、「論理的な考え方」や、「検証」についての習慣を身につけさせることが可能となる、というものです。 また、これらは、一般の技術者が何かを開発する場合の手順や、科学者の重要 な仕事である、モデル化の作業のための訓練をも含んでいるようにも見えます。 *StarLogoを使ってタートルグラフィックスを体験 [#t269e5b5] StarLogoはLogoの拡張と考えられますから、StarLogoのシステムを限定して利用すれ ば、本家のLogoと同じ事ができます。ここでは、タートルを一匹だけ画面上に配置 して、単純な命令をタートルに出してみます。 **StarLogoを立ち上げる [#p36db156] それぞれのプラットフォームで、それぞれのやり方でStarLogoを起動します **タートルを一匹だけ配置する [#y29ec384] Control Centerウィンドウの、Observer Command Centerのテキストエリアで、 次の様に順番にコマンド入力します。 ca crt 1 はじめの「ca」は「Clear All」の略で、現在存在するタートルを消去し、パッチ のクリア(全て黒にする)を行います。また、次のcrt 1の「crt」は、 「Create Turtle」の略で、「crt 1」で、一匹だけタートルを生成します。 **タートルにコマンドで命令を出す [#d5914b7b] Control Centerウィンドウの、Turtle Command Centerのテキストエリアで、 タートルの基本的な命令をコマンド入力し、動作を確認してみます。 |命令|短い名前|意味| |pendown|pd|ペンを下げる| |penup|pu|ペンを上げる| |forward x|fd x|前にx 進む| |back x|bk x|後ろにx後退する| |right x|rt x|右にx度回転して方向を変える| |left x|lt x|左にx度回転して方向を変える| たとえば、長さ10の正方形を描きたい場合には、次の様に入力します pd fd 10 rt 90 fd 10 rt 90 fd 10 rt 90 fd 10 rt 90 最後の「rt 90」は特にいりませんが、はじめの方向を向かせて終わっただけです。 #ref(Starlogo-Tutorial-Logo-Square.PNG,,,,,,,,,50%) *フラッシュムービーを作ってみました [#j1e4f9d8] #ref(turtle_graphics0.swf) ---- #counter